- 1年生から算数が苦手になってほしくない!でも、ネット上にある情報が多すぎてどうしていいか分からない・・・
- 子どもが小学校に入学するんだけど、算数の勉強についていけるのか心配・・・
- 家庭で簡単にできる1年生向けの算数の学習方法を教えて!
お子さんが小学校に入学すると、幼稚園・保育園の時とは違い、学習についての悩みが多かれ少なかれ出てきますよね。小学1年生の算数は簡単だと思われがちです。しかし実際は、1年生の算数は小学校算数の基礎となる大切な学習内容です。算数は積み重ねの教科なので、1年生の学習内容でつまずくと、2年生以降の算数の勉強が苦手になってしまうこともあります。
私は小学校教師として12年間の勤務経験があり、低学年の担任を任されることが多く様々な悩みに答えてきました。しかし、出産後にフルタイムで仕事に復帰すると、子育てと仕事の両立に悩みながら失敗を繰り返し、たくさんの遠回りをしてきました。
そこでこの記事では、お子さんが算数学習でつまずかないために、お家の方が忙しくても気軽に取り組める家庭での学習方法を解説します。
この記事を読めば、「1年生算数の重要なポイントを網羅した、家庭で気軽に取り組める学習法」が全て分かります。
私が12年かけて培ってきた小学校教師としてのノウハウや経験を凝縮しました。家庭でお子さんの学習をサポートしたい方は、ぜひ最後まで読んでください。
1年生が算数でつまずきやすい理由とは?
1年生の算数で、つまずく理由は2つあります。
1つ目は、基本的な数字の概念と計算方法が理解できないこと。2つ目は、1年生では「数を数える」だけではなく、たし算やひき算などの「計算する」力や文章問題などの「考える力」まで必要になることです。
理由① 基本的な計算方法が分からないとつまずきやすいから
算数は積み重ねの教科です。2年生以降の算数でつまずかないためには、1年生で学ぶ基本的なたし算やひき算の計算方法を習得する必要があります。
1年生の時期に学ぶ基本的な計算方法が理解できないと、その先の学習に影響を及ぼすこともあります。
理由② 幼児期とは違い、「計算する力」や「考える力」まで求められるから
幼児期では1種類の物を「1,2・・・」と1つずつ数えるだけでよかったのに対して、1年生の算数では、2+3=5のようなたし算やひき算などの計算をしなければなりません。
さらに、文章問題を読んで立式するといったような「考える力」まで求められます。
学校教育の特徴
1年生の算数の学習でつまずかないためには、まず学校教育の特徴を知る必要があります。
たし算やひき算などの「計算する力」は、3つの柱のうちの一つである「知識・技能」にあたります。
文章問題などの「考える力」は、3つの柱のうちの一つである「思考力・判断力・表現力」にあたります。
小学1年生の1学期で習う算数の範囲
算数の教科書は作成する会社が数社ありますが、今回は啓林館「わくわく算数」を例に説明します。
参考:啓林館「わくわく算数」(わくわく算数 | 令和6年度用 小学校教科書のご案内 | 啓林館 (shinko-keirin.co.jp))1年生の年間指導計画
1学期 授業時間数45時間(予備3時間)
4月(10時間)
- 1対1対応
- 5までの数字のかき方、数系列
- 10までの数字のかき方、数系列
5月(12時間)
- 何番目
- 5までの数の合成・分解
- 10までの数の合成・分解
- 0という数の概念と意味
6月(16時間)
- いろいろなかたち(立体の弁別、立体の面を写した絵描き遊び)
- たし算 1位数+1位数=1位数または10
例 3+2=5のようなたし算
5+5=10のようなたし算
7月(10時間)
- 1位数-1位数=1位数
例 5―2=3のようなひき算
- かずしらべ(絵グラフによる多少の考察)
実際の授業の基本的な流れ
小学校1年生の算数の授業はどのような授業展開をするのかについて説明します。先生や地域、学校によって多々ありますが、よくあるパターンが以下の授業展開です。
1時間の授業の流れの例
①具体物(数図ブロックなど)を使った内容の理解
②計算練習(知識・技能)
③文章問題(思考力)
テストなどの難しさの観点で考えると、計算問題よりも思考力を問う文章問題の方が難易度が高いといえます。特に、1年生はテストという形式に取り組むのも初めてのため、テストの受け方も一から学ぶ必要があります。ここが、1年生の算数の難しいところでもあります。
授業時間だけでは、たし算、ひき算の計算を習得するための時間が足りない
たし算、ひき算は計算の基本なので、確実に理解しておきたいところです。しかし、お子さんの理解度や問題の難しさによっては授業時間だけでは、習得するための時間が足りないこともあります。そこで、家庭学習で計算方法を習得するための時間を確保する必要があります。
●たし算、ひき算の基本となるのが、10までの数の合成・分解
●5までの数の合成・分解は簡単にできても、10までの数の合成・分解は難しい。
家庭で簡単に取り組める10までの数の合成・分解の練習法を解説!
1年生のお子さんがつまずきやすい10までの数の合成・分解を家庭で練習する方法は簡単です。
10の合成・分解
10の合成
家にある小物(同じ種類の物なら何でも大丈夫です)を10個用意しましょう。
例えば、おはじきを例に説明します。
お家の方が「7と3で10です」と言ったら、お子さんが「7と3で、10」と言いながら、おはじきを左に7つ、右に3つ並べます。
これを、1と9、2と8、3と7、4と6、5と5、6と4、7と3、8と2、9と1、10と0の10種類の合成ができるように繰り返し練習します。
【10の合成】
1と9で、10です。
2と8で、10です。
3と7で、10です。
4と6で、10です。
5と5で、10です。
6と4で、10です。
7と3で、10です。
8と2で、10です。
9と1で、10です。
10と0で、10です。
この時のポイントは、声に出しながら具体物(おはじき)を実際に動かすことです。声に出して手を動かして感覚を覚えることは、1年生の発達段階に合うので楽しく効果的に学習できます。
実際の小学校1年生の算数の授業でも、必ず具体物の操作をして感覚をつかませます。私が小学校で算数の授業をする時に、具体物(数図ブロックを使うことが多いです)を操作させると、子どもたちの理解度が高かったです。
おはじきや数図ブロックが家庭になくても、色鉛筆など家庭にある物で代用できます。
例えば、「7と3」の合成の例だと次のように並べます。
ご家庭に算数セットがある場合は、数え棒を活用すると便利です。例えば、数え棒で「7と3」の合成を作ると次のようになります。
10の分解
10の分解は、例えば次のように行います。
10の合成の時と同じように、具体物(鉛筆、おはじき、数え棒など)を10個用意して並べます。その時、数が一目で分かるようにきれいに並べましょう。
10は、1と9です。
お家の方が、「10は、1と9です。」と言ったら、お子さんが「10は、1と9」と言いながら、10本の棒を左に1つ、右に9つに分けます。
【10の分解】
10は、1と9です。
10は、2と8です。
10は、3と7です。
10は、4と6です。
10は、5と5です。
10は、6と4です。
10は、7と3です。
10は、8と2です。
10は、9と1です。
10は、10と0です。
まとめ
お子さんが1年生になって算数を苦手に感じることがないように、10の合成・分解のポイントと家庭での練習方法について解説しました。
10までの数の合成・分解をマスターできれば、その後に学ぶたし算・引き算につまずくことがなくなります。1年生の算数は小学校の算数の基礎となる大切な学習内容です。お子さんの様子を見ながら、ご家庭でできる範囲で楽しく取り組んでみてください。
(*このサイトは、Loose Drawingのイラストを利用しています。)